2022年12月22日木曜日

音楽のちから

バッハの好きな曲を聴いていると日常とは次元の違う世界へ連れていかれることがあります。

私の場合特に宗教曲などだとその別世界度は強まります。

もちろん、バッハの音楽だけに限らずあらゆる曲で体験することですが、

自分の周りの家事やその他の雑事諸々で脳内がさんざめいているところへ音楽が流れ込んできて、別次元へ、深く高く強く敬虔な生命の状態へ連れて行ってくれます。

音楽を聴かなければ体験できない状態ですが、その魂は自分と切り離された音楽の中に存在しているのではなく、もともと自分の中に存在しているものだと感じています。

懐かしく「ただいま」と言って本来の場所に戻ってきた感覚があります。

個々人が持っている本来の深い魂の扉を開くということ、音楽の力とはこれだと感じます。

ピアノを指導していくうえで、年齢が低い場合は特に、できなかったことができるようになること、などの喜びに意識が向きがちでそれはそれで大切にしたいことですが、この、「音楽によってその生徒それぞれの心の扉を開いていく」というもっとも大切な目的を忘れないようにしたいと思います。


2022年11月16日水曜日

命のきらめき

先日家事をしながら、YouTubeの本要約チャンネルを聴いていると、「もしも一年後、この世にいないとしたら。」という題の本の解説をやっており、興味深い内容でした。

早速一年後自分がこの世にいないとしたら、本当に心からやりたいことは何だろうとあれこれ考えていると、子供のころからいつも、果てしなく広い草原で風に吹かれるという光景を思い浮かべて憧れていたことを思い出しました。日々のいろいろな出来事や雑事に追われていつの間にか意識の底の方に埋もれてしまっていた憧憬ですが、わざわざ広い草原に憧れるまでもなくそこそこの、いやかなりの田舎で暮らしていた当時の自分でさえ、さらなる広大な自然を希求していたことを思うと、自分の中の生命がどれだけ自然を求めているかということに改めて思い至ったのであります。

果てしなく広がる草原に地球の広大さを感じながら風に吹かれたい、走り回りたい、大自然に自分の生命を開放したい、命のきらめきを感じたい、ある意味では自分が生まれてきた意味がその憧憬に凝縮されている気がします。

とはいえ住んでいる団地周辺に大草原など望むべくもなく、仕方がないので、ピアノに向かって、大草原で風に吹かれる自分を思い浮かべつつメンデルスゾーンの大好きな曲を弾いてみると…ああ!

風が吹き、光が差し、温かい人の声が聞こえ…etc.

命のきらめきが花火のように、ぱちぱちと弾けます。

音楽の中では、自分の体験したいように感情を体験し、命を開放できることを改めて認識した出来事でありました(^^)

レッスンでもいつも生徒さんたちにこの、感情を体験する喜び、命が喜ぶ瞬間を届けられるよう心掛けたいと思います。