GReeeeNのキセキを練習中のTちゃんは毎回曲中のある個所にくると「ここ好き」と言ってそこを何回か味わうように弾いてはこちらを向いてにこっとしてくれます。その個所はほんの四分音符1拍分の箇所ですが、たしかに流れを少し変えるような何とも言えないコードが絶妙に登場している箇所で、「ほんとだあ、いいねえ、そこ」といつも激しく同意しています。
Tちゃんは今の曲以外でもよく、ここが好きと曲のほんの1拍分の萌えポイントをみつけては教えてくれ、また曲以外でも「先生何色がすき?○○は紫が好き。紫っていってもこういうのじゃなくてこういう薄い感じの。」などなどぐっとくるものをよく教えてくれます。
そして私はそんなTちゃんのすてきな感性にいつもぐっときています。
ありますよね、何とも言えず心を奪われる萌えポイント。
私もこどものころオリーブの首飾りという曲が好きで覚えているメロディに伴奏を適当につけてよく弾いていましたが、何とも言えず好きなコードがあり、この世にはどうしてこんなにすてきなものがあるんだろうと不思議な感覚を覚えていました。
何年か前ですが生徒のお母さまも萌えポイントを教えてくださったことがありました。お子さんが発表会で弾くベートーベンのロンドの中の2小節分くらいの箇所を「ここがすっごい好きなんです」とおっしゃって、たしかに心がすうっとするような優しい満ち足りたような2小節でそのときのお母さまの感性にもすごく感激しました。
音楽に喜びを感じている仲間同士という気持ちになれてとてもうれしくなります。
だから、レッスンではいつもそれぞれがそれぞれの尊い感性を持っていることを忘れないでいたいと思います。自分の感性を押し付けず、生徒自身が自分の感性を持って音楽を楽しめるようにといつも願っています。
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